文鳥の寿命の平均は?死期が近づくと見られる症状や長生きのコツ

文鳥の寿命と、関連する症状や病気、長生きさせるコツをまとめています。

この記事の要約
  • 文鳥の平均寿命は8~10年
  • 寿命が近づくといくつかの症状がみられる
  • 病気によって寿命が縮まることもある
  • オスほうが少しだけ長生き
  • 種類による差は少ないが、個体差はある
  • 環境と飼い方で長生きも可能

文鳥の寿命の平均は?

文鳥の平均寿命は約8~10年程だと言われています。もちろんこれはあくまで平均寿命のため、飼い方次第では何十年と生きることも。

文鳥を飼う上で知っておいてほしいことは色々とありますが、その中でも”年齢の理解”は大切です。年齢に対する理解があることで年齢に合った接し方や育て方ができるので、健康な状態で長生きさせてあげることにも繋がります。

今後の参考までに、文鳥と人間の年齢の比較をご紹介しておきますね。

文鳥の年齢人間の年齢
誕生~1歳誕生~20歳
2歳~5歳21歳~40歳
6歳~8歳41歳~60歳
9歳~10歳61歳~80歳

人間の年齢と比較して分かるように、文鳥は生まれてから約1年で大人に成長します。知識がないと文鳥の年齢を見て、「去年生まれたからまだ赤ちゃん」「2年前に生まれてるからまだ若い」なんて思ってしまいますが、文鳥は生まれてから1~2年程で人間の20歳~40歳の人と同じ負荷が体にかかっています。

あれだけ小さな体で人間の20歳~40歳と同じだと考えたら、生後間もなくても病気にかかってしまうのは不思議なことではありません。

こうしたことも踏まえて、健康に長生きしてもらうためにも、年齢の理解と日々の健康チェックは大切なことです。

文鳥の寿命が近くなるとみられる症状は?

病気ではなく老衰で寿命を迎える場合は、主に下記3つの症状が現れるケースが多いです。

  • 活動的な時間でも寝ていることが多く、じっとしている
  • 触られるのが苦手なはずなのによく触らせてくれる
  • 足腰が弱くなりヨタヨタと歩いていたり、木に止まれなくなる

こうした症状を見て、「年だからしょうがない」「食欲はあるし問題なさそう」と飼い主は思ってしまいがちですが、実はいつものようにごはんを食べていたり、くちばしの色が鮮やかであっても老衰死は近付いています。

ただ、これらの症状+食欲がない・苦しそうにしている場合は寿命が近付いているのではなく、何らかの病気を疑った方がいいでしょう。様子を見てからではなく、早めに動物病院に連れて行ってあげることをおすすめします。

文鳥の体は小さいため、人間に比べて病気やケガの進行がすごく早いんです。そのため少しでも処置が遅れると、何らかの症状が現れた日に命を落としてしまうこともあります。

年齢や寿命に関係なく文鳥は突然死してしまうことがあるので、体重・食事量・便の状態・尿の状態を日頃から観察し、1日でも長く健康に過ごせる環境作りを心がけましょう。

突然死や病気に関係なく、日々の健康チェックは老化の進行を緩やかにすることにも繋がりますからね。

5年以内で最期を迎えるのは早いのか?

文鳥の寿命は約8年~10年だと言われていますが、これはあくまで平均なので、生まれてから5年以内に最後を迎えてしまうことが早いなどはありません。

平均寿命と比べると5年以内で最期を迎えてしまうことは早いですが、人間と同じで文鳥にも個体差があります。

例えば病気知らずの健康な文鳥が5年生きた場合と、生後間もなく病気にかかってしまった文鳥が5年生きた場合、後者の方が長生きしているように感じませんか?

こうしたことから、長生きか早い最後だったのかは文鳥の状態によって違います。

ちなみに、文鳥を長生きさせるために注意したいことは、退屈・孤独・性的欲求不満を避けてあげることです。

文鳥は一夫多妻制のペアをつくる習性があるので、飼い主と過度な接触をするとペアを組もうとするのですが、飼い主とは常に一緒に居ることは不可能ですし繁殖もできません。なので、1羽だけでの飼育や飼い主との過剰な接触は避けましょう。

2羽以上で飼育し、文鳥同士の日々を陰ながら見守ってあげることが長生きさせてあげるためのポイントです。

文鳥の寿命が縮まる病気

文鳥がかかりやすい病気は、主に5つです。

トリコモナス

トリコモナス原虫という寄生虫の感染によって引き起こす病気です。

感染している母鳥からのさし餌やペットショップ等で感染した文鳥と同じ飲み水を飲んでいたり、さし餌器具を使い回すことで感染するケースが多いです。ヒナや幼鳥は特に免疫力が低いので、発症しやすいです。

以下の症状が頻繁に見られる時は早急に動物病院へ受診しましょう。また、2羽以上で飼育している場合は感染リスクを下げるためにも直ちに隔離してくださいね。

  • 食欲不振
  • 嘔吐
  • くしゃみ
  • あくび
  • ベロを出す
  • 首を振る
  • 口内粘液
  • 耳の穴からイボのようなものが出る

コクシジウム症

腸管内にいる寄生虫が炎症を引き起こします。ただ、感染しても無症状のことが多いので、気が付きにくいのがこの病気のすごく厄介なところです。

特に免疫力の低いヒナが発症しやすく、症状がある場合は下痢・血便・突然死になることも。

治療中であっても自分の便で再感染しないように、ケージ内は常に清潔にしておく必要があります。

甲状腺腫

喉にある代謝機能の調整ホルモンを分泌する臓器が腫れてしまう病気です。

摂取しているヨードの量が少ないまたは豆苗や小松菜などのマメ科・アブラナ科の植物を与えすぎていることが主に原因とされています。

甲状腺腫を発症してしまった時によく見られる症状は以下となります。

  • 呼吸がしにくい様子
  • 呼吸をする度にギューギュー・ブッブッなどの音が鳴っている
  • 嘔吐
  • 鳴き声がかすれている

不正咬合

くちばしの上または下が異常に伸びて噛み合わせが悪い状態の病気です。 主な原因は、老化・肝機能の低下・栄養不足だと言われています。

以下の症状が頻繁に見られたら、動物病院へ受診しましょう。

  • 食べたものをたくさんこぼしている
  • ごはんの殻をうまく割ることができない

副鼻腔炎

目の奥にある副鼻腔にウイルスなどが入り込んで感染してしまう病気です。この病気は結膜炎や鼻炎なども伴って重症化するケースが多いので、重症化する前に些細な症状でも気が付いてあげることが大切になります。

副鼻腔炎になってしまう主な原因は、細菌・カビ・免疫力の低下だと言われていて、慢性化しやすいです。

よく見られる症状としては以下になります。

  • くしゃみ
  • 呼吸音の変化
  • 首を頻繁に振る
  • 頭を木などに擦る
  • 涙目になる
  • 目をつぶる

日頃から文鳥と適度なスキンシップをとり、普段とは違う症状を早期に発見できるようにしましょう。

オスとメスで寿命に違いがある?

結論から言いますと、メスよりオスの方が少し寿命が長いです。

というのも、メスは卵を産む際に体にすごく大きな負担がかかります。この時に卵詰まりが起こってしまったり、突然命を落としてしまうことだってあります。人間と同じで文鳥のメスも命がけで産卵するということです。

この文章を読んで、「長生きしてほしいから1羽で飼おう」「今はオスとメス同じケージだけど、まだ産卵した経験ないから別々で飼育しよう」と思った方も居るのではないでしょうか。

1羽で飼えばメスが長生きするというわけではありません。メスはパートナーだと認定した人間に対しても発情をして無精卵を作ってしまうこともあるんです。

そのため、メスを1羽で飼い、その1羽に長生きしてほしいのであれば発情対策をしっかりと行う必要があります。

発情対策におすすめの方法は下記となります。

・背中を撫でない
発情が頻繁に見られている時に背中を撫でてしまうと、発情が長引いてしまうことがあります。

・声をかけることを控える
発情が強い場合、頻繁に声はかけず適度な声掛けが大切です。

・つぼ巣や素材となるものを置かない
産卵を連想させてしまうものをケージ内に置かないようにしましょう。

・暗い時間を増やす
日照時間が長いと発情を促してしまうので、1日12時間くらいを目安に暗い時間を作って寝かせてあげましょう。

・室温を上げ過ぎない
室温が高いと発情を促してしまうので、冷房や暖房の設定温度は高すぎないことがポイントです。

・鏡を見せない
鏡に映る自分に発情するケースがよくあるので、ケージ内に遊び道具としての鏡は置かない方が良いです。

種類によって寿命が変わる?

文鳥は大きく分けて、ノーマル文鳥・桜文鳥・白文鳥・シナモン文鳥・シルバー文鳥の5種類います。どの文鳥も平均寿命は約8年~10年です。

ただ、その中でもシナモン文鳥とシルバー文鳥はとても病弱なため、平均寿命まで生きることが難しいケースが多いです。

もちろん、飼育の仕方次第で平均寿命を超えても健康且つ元気に生きるシナモン文鳥とシルバー文鳥をいるので安心してくださいね。

この機会にシナモン文鳥とシルバー文鳥の特徴について知っていただけたらと思います。

シナモン文鳥の特徴

ノーマル文鳥のような模様で、カラーは名前の通りシナモン色(茶色)です。黒を発色するメラニン色素が欠落しているため、上品なシナモン色なのが特徴です。

色素が欠落していることで日光に長く当たることを苦手としています。体質的に弱いので、他の文鳥よりも日々のこまめな健康チェックは欠かせません。

シルバー文鳥の特徴

1980年にヨーロッパで生み出された文鳥です。

カラーの濃さは個体差によって違いがあるため、薄い文鳥を”ライトシルバー”、濃い文鳥を”ダークシルバー”と呼ぶこともあります。

シナモン文鳥と同じで体質的に弱いので、日光に長く当たることを苦手としています。

文鳥の寿命にギネスなどの最長記録はあるの?

ギネスなどの公式記録には登録されていないようなのですが、文鳥の最長寿記録は18年だと言われています。

個体差によって病気にかかりやすい・かかりにくいなどもありますが、健康に長生きしてもらうためには環境が最も大切です。

文鳥を長生きさせるための環境づくり

文鳥に長生きしてもらうには、以下の環境づくりをおすすめします。

・食事
バランスよく体に良い物を食べさせましょう。シードを与える方が多いのですが、シードよりもペレットの方がおすすめです。ペレットは文鳥に必要な栄養素が摂取できるように作られています。

・ケージを中心とした生活
文鳥は主にケージの中で過ごすため、人間で言う家のような場所です。そのためサイズが合っていなかったり、使い勝手が悪かったり、中のレイアウトがイマイチだと文鳥は窮屈さやストレスを感じてしまいます。

こうしたことも踏まえて、適したケージの大きさ・人の目線程度の高さにケージを置く・どこか一面が壁に面している・直射日光の当たらない明るい場所が望ましいです。

・ストレスの軽減
人間同様文鳥もストレスは心身の健康に大敵なので、ストレスの少ない環境を作ってあげることが大切です。

例えば大きな音がする場所にケージを置かないことや寒暖差を感じにくくしてあげること、適度なスキンシップや満足できる食事を与えることなどです。

日々観察をして、ストレスを感じにくい良い環境に導いてあげましょう。

・かかりつけの病院を見つけておく
文鳥は些細なことで病気にかかってしまったり、突然命を落としてしまうことがあります。体調不良になってから動物病院を探すのでは遅いので、鳥をちゃんと診ることができる病院を事前に探しておいたり、同じ病院に通い続けて環境を変えないことも大切です。

長生きさせるためのコツ

文鳥に長生きしてもらうためには、主に5つのコツがあります。

  • 温度管理(20~25℃の維持)
  • 発情の予防(日照時間を8時間以内に抑えるなど)
  • 栄養バランスのとれたごはんを与える
  • 適度な運動をさせる
  • 早寝早起きをさせる(毎日決まった時間に太陽の光を当てる)

飼育に必要なグッズの用意

正しい飼い方としては、長生きしてもらうための5つのコツも大切ですが、飼育に必要なグッズの用意も重要です。

飼育に必要なグッズの詳細については以下となります。

・ケージ
1~2羽で飼う場合、高さは45㎝くらいで、幅は40㎝くらいが望ましいです。小さすぎるケージは窮屈ですし、大きすぎるケージもかえって落ち着かないので、飼う羽数や飼った文鳥の性格に合ったものを用意してあげましょう。

・止まり木
文鳥が休む場所として止まり木が必要です。直径12㎜くらいが文鳥の脚に適しています。

・エサ入れ
浅いものや軽いものだと文鳥がひっくり返してしまうので、深さがあるものや重みのあるものがおすすめです。

・水浴び容器
文鳥は水遊びは好きなので、水炙用の容器が必要です。

・水入れ
文鳥が水を飲むのに必要なので、飼っている文鳥に合ったサイズのものを設置してあげましょう。

文鳥の寿命のまとめ

文鳥の寿命に関する情報をお伝えしました。

平均寿命はありますが、病気の影響や個体差など、人間と変わらない点も多いです。

愛情を注いで適切に飼えば、平均より長生きさせることもできるはずなので、正しい知識をつけて少しでも一緒に過ごせる時間を増やせるようにしていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました