湿度が90%まで上がる原因や体、部屋の影響についてまとめています。
- 気候だけでなく人の生活は湿度の上昇に影響する
- 湿度90%は髪の毛がうねるレベルで夏場なら汗が止まらない
- 湿度の数値が同じでも気温が変わると感じ方も変わる
- 湿度90%ではカビの繁殖も心配される
- 湿度を下げるなら換気と除湿グッズの併用が効果的
部屋の湿度が高くなる原因は?
最近の住宅は建築技術が向上していることや、冷暖房の効率を良くすることを目的として、昔のものに比べても気密性は高まっていく傾向にあります。
そのため外の環境に左右されず快適な住環境を維持できるといったメリットがありますが、一方で意識的に管理していかなければ外の環境に関係なく屋内の環境が悪化していってしまうというデメリットもあります。
まず湿気の原因として大きいのが、生活する人間に由来しているものです。
私たち人間の体は約60%が水分と言われており、呼吸や汗などによって常に周囲に対して湿気を排出しています。
つまり人間がその場にいるだけで、基本的には湿度に寄与していると言えるのです。
また冬の場合、暖房を使っていると外気温との温度差によって窓の内側などが結露し、これも湿気の原因となります。
他にも室内に洗濯物を干している場合や、浴室、調理などによって発生する蒸気があり、こうした湿気が外環境とうまく交換されないことで、自然と部屋の中の湿度が高くなっていってしまうのです。
湿度90パーセントだと体感はどう感じる?体への影響は?
大気の中に含まれる水分量には限界があり、その限界ぎりぎりまで水分を含んでいる状態を湿度100%と言います。
これを超えると水が空気中で可視化されるようになり、霧や結露といった形で認識されるようになります。
湿度90%というのはその手前で、かなり湿気が多い状態だと言えるでしょう。
人体への影響で言うと、たとえば髪の毛は内部に10%以上の水分が含まれると膨んでくるとされますが、90%を超えればうねりが生じ、スタイリングもなかなか上手くいかなくなります。
夏場であれば動いていなくても汗が止まらなくなり、適切に水分補給をしていなければ脱水症状などを引き起こす恐れもあります。
また汗は、体が熱すぎると感じた時に気化熱によって体温を下げるという働きをしていますが、大量の汗をかくことで逆に体温が下がりすぎてしまい、血液の循環が悪くなったり、代謝が滞るなどの悪影響も及ぼします。
外気温と体温の差によって体調を崩してしまうこともあるので、十分に気をつける必要があります。
同じ湿度でも温度によって感じ方も変わる
湿度の他に現在では「不快指数」という指標もよく知られていますが、これはアメリカで考え出されたもので気温と湿度から算出されます。
空気中に含むことのできる水分は気温によって変化し、気温が高いほど多くの水分が含まれるため、同じ湿度でも気温が高いほど不快感は増すと言われています。
同じ水であっても冬には冷たく感じられ、夏にはぬるく感じられるように、同じ湿度90%であっても気温が0℃の場合、不快指数は「33.4」。
寒い中での水気によって体には寒いと感じられ、逆に40℃を超える気温の場合には不快指数「101.5」。
暑い上に湿気によって汗が誘発されるので常に汗をかき続けているような状態になり、非常に不快に感じられます。
日本の場合、冬は乾燥しがちなのである程度の湿気はむしろ生活を快適にしますが、夏の湿度の高さは壁や床など触るものにもしっとりとしたぬめりなどが感じられるようになり、カビの原因にもなるのであまり気分の良いものではないでしょう。
部屋の湿度90パーセントが続くとどんな影響があるのか?
建築物環境衛生法では、室内における適切な湿度は40~60%程度とされています。
仮に室内の湿度が90%を超えたままという状態が続いたとすると、まず心配するべきはカビの発生でしょう。
カビは室温が20~30℃、湿度が75%以上になると発生しやすくなると言われており、種類によっても異なる部分もありますが、湿度65%以下ではほとんど発生しません。
ここへさらに汚れなど、カビが好物とする栄養分が加わると十分にカビにとって快適な環境が揃うと言えます。
また見えているところにカビが発生していないとしても、結露のしやすい窓際や壁際、寝汗をかいた布団の裏などはシーズン中は常に湿ったままの状態であることが多いため、知らず知らずのうちにカビの温床になっているということは少なくありません。
他にダニも湿気を好む性質があるので、湿度90%の環境下では繁殖しやすく、生活する人にとって不快感を伴うだけでなく、子供や高齢者などの場合は病気の原因となることもあるので注意が必要です。
部屋の湿度を下げる方法
最も簡単にできるのは、こまめに窓を開けて十分な換気をすることです。雨の日やその翌日は避けて、晴れた日の日中にするのがおすすめです。
窓を開けて換気する場合は一カ所だけでは空気が動かないので、少なくとも二カ所以上開けることがポイントです。
家中を換気したいならばできるだけ離れた窓を二カ所以上開けて、空気の通り道を作ってあげるようにしましょう。
他の方法としてはエアコンや除湿機の利用があります。天候や周辺環境などの事情で窓を開けたままにしづらい時に有効です。
悪天候時に室内で洗濯物を干す時などにも便利ですし、風量が弱いと感じたら扇風機やサーキュレーターなども併用すると、室内の空気を循環させることができるので良いでしょう。
また押し入れやクローゼットなど、空気の入れ替えがスムーズにいきにくい場所では除湿剤や除湿シートを使うのがおすすめです。
除湿剤は設置する場所によって大きさ、設置方法、成分など様々な違いがあるので、それぞれの環境で最適なものを選ぶようにしましょう。
湿度90パーセントまとめ
気密性の高くなった近年の住宅において、エアコンなどで一年中快適な環境を維持できるならば問題ありませんが、省エネなどの観点からすればなかなかそうはいかないということも多いと思います。
空気中に含むことのできる水分は気温によって変わるので、同じ湿度でも季節によって感じられ方は変わりますが、特に夏の湿度には注意が必要です。
夏の湿度が90%を超えると、単に不快なだけでなくカビやダニが発生するなど健康を害してしまう恐れもあるため、湿度を下げることを考えなければなりません。
具体的には窓を開けて換気をしたり、エアコンや除湿機、除湿剤を使って湿度を調節する必要があります。
一度発生したカビやダニは始末するのも大変になるので、なってから後悔しないよう、早めに対策を講じるようにしましょう。